マンション売却時_諸経費01
丁度今頃が「一年で最も物件が動くシーズン」ですね。

マンションを売却しようとする方は、この時期に売り出すことがベスト!

需要が高い時期に売り出せば高目で、しかもスムーズに売却できる可能性が高いですよ。

では、マンションを売却するとき、どのような費用がかかるでしょうか?

今回はマンション売却の流れに沿ってお話しましょう。

売却活動中はほとんど業者任せ

不動産業者は成功報酬で動きますから、成約しない限り費用を請求することはありません。

不動産の売却を依頼する際、3つの形式があります。

  • 専属専任媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 一般媒介契約

この区別や特徴については、既に多く書かれていますので省略します。

では、媒介契約に料金は発生するのか?

マンション売却時_諸経費02

答えは「成約後初めて報酬が発生する」が正解です。

媒介契約の締結時は何も支払う手数料はありません。

さて、売却を任せる業者が決まって、いよいよ売り出しを始めます。

業者はブランド力のある大手一社と、地元で長く営業している地元業者一社とに重ねて依頼する「一般媒介契約」を選びました。

REINS(レインズ=不動産適正取引推進機構のオンラインシステム)に二社とも物件登録を済ませ、活動を始める準備をしています。

ここで業者は紹介する図面「物件概要書」を作成するため、記載事項を調査します。

現在は登記情報システムができて事務所からオンラインで登記情報が見れる時代になりました。

ところで、登記情報を閲覧・コピーするにも手数料がかかります。

この費用を売主が負担するでしょうか?

答えは「業者が請求することはほぼありません」です。

多くの場合、そこまでケチケチすると売主に足元を見られますから請求しないのが普通です。

売却活動中で業者が最も費用を投じるのが「広告宣伝費」です。

REINSも最近では閲覧が有料化しましたし、大手住宅情報ポータルサイトの「スーモ」「アットホーム」などへ掲載するのは当然有料です。

また新聞折込広告を印刷・配布する場合、結構な費用がかかります。

売主のあなたが売れる可能性が低い、極端に高額な「チャレンジ価格」で売り出したとすれば、業者は「チラシを入れても反響がない」と考え、別の物件と「相乗り」して経費倒れを逃れようとします。

「単独で目立つように出してよ」

そう売主から強く希望された場合であっても、大手業者は広告費を請求しないでしょう。

しかし、地元の業者は基本的には大手と同じですが、高値のまま3度、4度出すようなことがあれば、広告宣伝費用の負担をお願いされる事もあります

このように売主自らの依頼で広告を出した場合は費用請求できるため、一応通常の広告も含めて費用負担の有無は業者に確認しておくべきです。

以上、基本的に成功報酬の不動産業者は契約までの間は、特に何も請求して来ないのが基本だと言えます。

契約後は諸費用が目白押しで発生する

マンション売却時_諸経費03
大手業者の案内によって買い付け(=購入申し込み)が入り、めでたく契約予定となりました。

ここから決済・引き渡しに向けて諸費用が随時発生します。

契約時

・契約書貼付印紙代(印紙税)
売買契約書には通常売主・買主双方が自分の負担で売買金額に応じた「収入印紙」を貼付します。

具体的な印紙税の税額は国税庁HPを確認してください。貼付しないと立派な「脱税」です。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7101.htm

この税額が時々変わりますので、暗記せず国税庁のHPを見て確認することをお勧めします。

・仲介手数料の半金(50%)
仲介手数料の総額は「売買金額×3%+6万円」に1.08を掛けると消費税込みの金額がわかります。

大手業者の場合、「半金・半金」といって、契約成立時に50%、引き渡し時(決済時)に50%と媒介契約書の手数料支払い条項に書いてあるケースが一般的です。

ところが大手以外の業者は決済時に全額を一括支払いする場合がほとんどです。

というのも、契約が売主・買主いずれかの理由により解約となった場合、一旦受け取った手数料半金を返金する必要があります。

大手は資金的にも余裕がありますが、中小零細業者は一旦受け取った仲介手数料を使ってしまうケースも十分あり得ます。

こうした面倒を避けるため、決済時に全額を頂くパターンを取る業者が多いのです。勿論、大手以外でも「半金・半金」で貰う業者もいます

引き渡しまでの期間

無事に契約が終わり、契約時に決めた「引き渡しの時期」まで、売主は買主に対して、固定資産税、管理費、修繕積立金等の滞納分があれば全額を支払って清算し、物件に係る一切の権利、義務を除去・抹消し、物件を引き渡さねばなりません

ここでは管理費・修繕積立金・固定資産税など、滞納金が一切ないことを前提に話を進めます。

引っ越し費用

決済時、残代金と引き換えに登記済証(=現在の登記識別情報。昔でいう「権利証」)と物件のカギを全部買主に渡して残代金を受け取ります。

売主は引き渡しに備え、物件内の家財・家具など、「付帯設備表」で引き渡すと約束した照明器具などを除き、全てを持ち出す必要があります。

つまり「引っ越し」をします。

引っ越し費用は「アート引越センター」「引越しのサカイ」など、各社バラバラですから、売主が自ら見積もり合わせして決めることになります。

粗大ごみ処理費用

引っ越しで新居へ持って行かずに廃棄する古い家具や電化製品も出るでしょう。

市区町村のゴミ収集では処理できない「粗大ごみ」や「資源ごみ」など、大型の廃棄物処理には費用が生じます。

物によってはリサイクルセンターで値が付くものもあると思います。

なお、ここで「クリーニング費用」は発生しません。
賃貸借の「原状回復義務」とは違い、売買では「現状有姿売買」といって、汚れていても、そのままの状態で引き渡す契約を結ぶのが一般的です。

良く「リフォームしてから売った方がいいのではないか」と聞かれますが、答えは「NO」です。

マンションの買主は、購入後の物件を完全に自分の思った通りにリフォームしようと思っています。

クロスの色や柄一つでも趣味と違うものに興味は持ちません。
従ってリフォームを売主自ら行う必要はありません。

決済時

いよいよ契約行為の最後です。

司法書士が売主本人の確認を行い、固定資産税評価証明書と登記済証(登記識別情報)を受領、所有権移転登記の準備完了を告げると、

買主が残代金を支払い、売主はマンションのカギ一式など、契約時に定められた物を全て引き渡すことで「物件の引き渡し」は完了し、決済は終わります。

ここで売主が支払う諸費用についてお話します。

仲介手数料の残金

契約時に「半金・半金」で支払った場合、残りの半金(50%)を仲介業者に支払います

先程お話したように、残代金支払い時に一括で支払う場合、このときに支払います。

※ローン残高がある場合

売主が住宅ローンを残代金で一括返済するケースが多いと思います。

この場合、前もって貸出先の金融機関に売却する意志と、売却代金でローン残高を繰り上げ一括返済することを伝えて抵当権抹消書類を準備してもらいます。

この際、金融機関に繰り上げ返済手数料を支払うことが一般的です。

更に抵当権抹消登記費用を司法書士に支払います。

具体的な計算方法は金融機関、司法書士により異なるため、確認が必要です。

なお、支払うのではなく貰うお金があります。
マンション売却時_諸経費04

※ 固定資産税の清算金(貰うお金)
通常市区町村税の固定資産税は一年毎に所有者へ支払い明細が来て、一括払い、分割払いで支払います。

売買契約終了時に行う固定資産税の清算は、あくまで売主・買主当事者間での清算であり、課税する市区町村は絡みません。

ゆえに、まず売主が固定資産税年額を支払う前だった場合、一旦全額を納付する必要があります。その上で以下の方法で清算金を計算します。

固定資産税年額 × 引き渡し日以降12/31までの日数 / 365日

例えば3/31決済・引き渡しだった場合で、固定資産税年額が10万円だとすると

100,000円 × 276日/365日 = 75,620円 (買主から貰う固定資産税清算額)

となります。

※管理費・修繕積立金月額の日割り清算金
固定資産税は年額でしたが、これらは月額で日割り清算します。

(管理費+修繕積立金/月額) × 引き渡し日から月末までの日数 / 清算月の日数

= 管理費・修繕積立金の清算金

となります。

引き渡し後

残代金を貰い、所有権も買主に移転した後、まだ支払うものがあるのか?

あります!

ある意味で最も重要な出費は「税金」です。

正確には「譲渡所得税」=不動産売却で儲けたお金にかかる所得税・住民税の合計です。

税金については控除額やその要件など、説明が長くなるので省略します。

ただし、あくまでも売却で「儲け」が出た場合のみ税金を意識する必要があります。

購入金額よりも安く売った場合は「損」をしていますよね。この場合、税金は課税されません。

詳しくは税理士さんや税務について述べた記事をご参照下さい。

マンション売却時にかかる諸費用のまとめ

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いかがでしたか?

今回は実際の取引の流れに沿ってマンション売却の諸費用についてお話しました。

支払う他に貰うお金や、返ってくるお金もあります。(火災保険料の解約後返還金・住宅ローン保証料の清算後返金など)

最後にお話しした税金計算を業者が間違って大トラブルが発生し、裁判に発展したケースもあります。

税務については大手ならば顧問税理士に確認をとってあるか否か、それ以外の場合も業者だけでなく税理士等、税務の専門家に確認して手取り額を間違えないようにしましょう。

著者:神林勝利
不動産鑑定士_神林さん
不動産鑑定士・宅建取引士。1966年生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。野村不動産(株)流通営業部(現・野村不動産アーバンネット株式会社)のリテール向け売買仲介営業マンから不動産鑑定士に転身。独立後約10年間法人経営者として宅建業・鑑定業を営む。法人の営業譲渡後「神林不動産鑑定士事務所」代表として執筆活動や不動産コンサルタントを行っている。


マンションの売却を成功させる人の多くは
不動産一括査定サイトを使ってから売却しています。
しかし、どこの一括査定サイトを使えば良いのか?
マンション 売却を成功させる!
こちらで、紹介していますので、ご参考までに